【2026年改定】ベースアップ評価料に医療事務も対象追加!給与アップのチャンスを逃すな

「医療事務の給料、なかなか上がらないよね…」
そんな悩みを抱えている医療事務スタッフの方に朗報です。
2026年度の診療報酬改定で、ベースアップ評価料の対象職種に「事務職員」が新たに追加されることが決定しました。これまで看護師や薬剤師などの医療専門職が中心だったベースアップ評価料ですが、今回の改定で医療事務スタッフにも賃上げの道が開かれます。
さらに注目すべきは、2027年6月以降はベースアップ評価料の点数が2倍になるという点です。これは医療機関にとって賃上げの財源が確保しやすくなることを意味します。
特に注目すべきは以下の3点です。
- 2024年度改定では対象外だった事務職員が、2026年度改定で新たに対象職種に追加
- 医師事務作業補助者だけでなく、一般的な医療事務・受付スタッフも含まれる
- 2026年度:現行のベースアップ評価料を継続
- 2027年6月~:点数を2倍に引き上げ
- これにより医療機関の賃上げ財源が大幅に増加
- 2024年度改定では基本診療料に包括されていた部分を、ベースアップ評価料として明確化
- 若手医師の処遇改善も同時に推進
【引用元記事はこちら】


医事課(医療事務)への影響・ポイント

なぜ今回、医療事務が対象に追加されたのか
「なぜ今まで医療事務は対象外だったの?」
そう疑問に思う方も多いでしょう。実は、2024年度改定でベースアップ評価料が新設された際、対象職種は以下のように定められていました。
【2024年度改定の対象職種】
- 看護職員(看護師、准看護師、看護補助者)
- 薬剤師
- リハビリ職(理学療法士、作業療法士など)
- 医療技術職(診療放射線技師、臨床検査技師など)
- その他医療に従事する職員(医師・歯科医師を除く)
この「その他医療に従事する職員」には、医師事務作業補助者は含まれていましたが、一般的な医療事務スタッフ(受付・会計・レセプト業務など)は明確に対象とされていませんでした。
なぜ2026年度改定で追加されたのか?
背景には、以下のような事情があります。
- 医療事務の有効求人倍率は上昇傾向
- 他業種(一般事務)との賃金格差が拡大
- 離職率の高さが医療機関の経営を圧迫
- オンライン資格確認、電子カルテ情報共有サービス、電子処方箋など、事務部門の対応業務が急増
- システム対応できる人材の確保が急務
- 医療分野全体の処遇改善を推進
- 「全職員」の処遇改善を目指す方針
医療事務スタッフにとっての実際のメリット
「実際、いくら給料が上がるの?」
これが一番気になるポイントですよね。具体的な金額は医療機関によって異なりますが、目安を見ていきましょう。
例えば、年収300万円の医療事務スタッフの場合:
- 2.5%アップ → 年間7.5万円増(月約6,250円)
- 2.0%アップ → 年間6万円増(月約5,000円)
「たった月5,000円?」と思うかもしれませんが、これは最低ラインです。
ベースアップ評価料は医療機関が算定する診療報酬の加算なので、医療機関の収入が増えれば、それを財源に更なる賃上げが可能になります。
特に2027年6月以降は点数が2倍になるため、医療機関の増収分も大きくなり、より大幅な賃上げが期待できます。
医事課・医療事務部門がやるべき実務対応
ここからが重要です。ベースアップ評価料は「医療機関が届出をすれば自動的に給料が上がる」わけではありません。
医療機関がベースアップ評価料を算定するための要件があり、その実務対応の多くは医事課(事務部門)が担当します。
医療機関は、以下の内容を記載した「賃上げ計画書」を地方厚生局に届け出る必要があります。
・ 対象職種と人数
・ 賃上げ率または賃上げ額
・ 実施時期
・ 財源の内訳
医事課(事務部門)の役割:
・ 院内の対象職員数の集計
・ 現在の給与水準の把握
・ 賃上げ計画の数値シミュレーション
・ 届出書類の作成・提出
計画書を提出したら終わりではありません。実際に賃上げを実施し、その実績を報告する必要があります。
医事課(事務部門)の役割:
・ 給与改定の実施状況の確認
・ 実績報告書の作成・提出(毎年度)
・ 計画と実績の乖離がある場合の対応
ベースアップ評価料は、初診・再診・入院などの基本診療料に加算される形です。
医事課の役割:
・ レセプト請求時の算定漏れチェック
・ 返戻・査定への対応
・ 算定実績の月次集計
「うちの病院、ベースアップ評価料を届け出てない…」という場合
「うちの病院、まだベースアップ評価料の届出をしていないみたい」
そんな医療機関も実際にはあります。その場合、医事課(事務部門)から経営層へ提案することが重要です。
提案に使えるデータ例:
| 区分 | 初診 | 再診 | 入院(1日) |
|---|---|---|---|
| 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ) | 25点 | 4点 | – |
| 入院ベースアップ評価料(Ⅰ) | – | – | 50点 |
例:月間初診300件、再診2,000件の医療機関の場合
- 初診:25点×300件=7,500点
- 再診:4点×2,000件=8,000点
- 合計:15,500点=155,000円/月
- 年間:186万円の増収
この財源で、職員10名に平均月1.5万円(年18万円)の賃上げが可能になります。
よくある現場の悩みと対策
「賃上げ率が目標に届かない」
対策:
● ベースアップ評価料の算定に、賃上げ率の下限はない
●「賃上げ率が低いから算定できない」ということはない
●まずは届出をして、徐々に賃上げ率を上げていく戦略もあり
「パート・派遣スタッフも対象?」
対策:
● 正職員だけでなく、パート・派遣スタッフも賃上げの対象にできる
●むしろ全職員を対象にすることで、職場全体のモチベーションアップにつながる
執筆者のコメント

正直に言うと、2024年度改定でベースアップ評価料が新設されたとき、「医療事務(事務職)は対象外なんだ…」とがっかりしました。
医師事務作業補助者は対象なのに、なぜ一般の医療事務スタッフは対象外なのか。レセプト業務も、窓口対応も、患者対応も、すべて医療機関の運営に欠かせない仕事なのに。
でも、2026年度改定で「事務職員」が対象に追加されると知り本当に嬉しく思います。
これは、医療事務の仕事が正当に評価された証です。
ただし、ここで重要なのは、「制度ができた」だけでは給料は上がらないということです。
医療機関がベースアップ評価料を届け出て、実際に算定し、その増収分を職員の給与に反映させて、初めて賃上げが実現します。
もし、あなたの勤務先がまだベースアップ評価料を届け出ていないなら、医事課から経営層へ提案してみてください。
「先生、2026年度改定でベースアップ評価料に事務職員も対象になりました。当院でも届出を検討してみませんか?」この一言が、あなたと同僚の給料アップにつながるかもしれません。
賃上げは「経営戦略」でもある
経営者の立場で考えても、賃上げは単なるコスト増ではなく、人材確保・定着のための戦略的投資です。
医療事務の人手不足は深刻化しており、「募集しても応募が来ない」「せっかく採用しても すぐ辞めてしまう」という悩みを抱える医療機関は多いです。
採用コスト(求人広告費、面接対応の時間)や教育コスト(OJT、マニュアル作成、先輩スタッフの指導時間)を考えれば、既存スタッフの定着に投資する方が長期的には合理的です。
また、2027年6月以降はベースアップ評価料の点数が2倍になります。つまり、今から準備しておけば、2027年以降に更なる賃上げが可能になるということです。
まとめ:医療事務スタッフが今すぐやるべき3つのアクション
【① 自院のベースアップ評価料の届出状況を確認】
今すぐ確認すべきこと:
・自院がベースアップ評価料を届け出ているか
・届け出ている場合、対象職種に「事務職員」が含まれているか
・実際に給与に反映されているか
確認方法:
・医事課の責任者や事務長に聞く
・給与明細に「ベースアップ手当」などの項目があるか確認
・地方厚生局の届出受理一覧で確認(公開されている場合)
【② 届出がない場合は経営層へ提案】
提案のステップ:
1. ベースアップ評価料の制度概要を理解する
2. 自院の増収見込みを試算する
3. 賃上げ可能額をシミュレーションする
4. 資料を作成して事務長や院長に提案
提案資料に含めるべき内容:
・ 制度の概要(厚生労働省資料を引用)
・ 自院の増収見込み額
・ 職員への賃上げ配分案
・ 届出に必要な手続きと期限
★難易度は高いですが、賃上げのために頑張りましょう!!
【③ 2027年6月の点数2倍化に備える】
今から準備すべきこと:
・ 2026年度の賃上げ実績をきちんと記録
・ 2027年度の賃上げ計画を早めに検討
・スキルアップ・資格取得で市場価値を高める
さいごに
2026年度診療報酬改定で、ようやく医療事務スタッフもベースアップ評価料の対象に加わります。
これは大きな前進ですが、制度があるだけでは給料は上がりません。
医療機関が届出をし、算定し、実際に給与に反映して、初めて賃上げが実現します。
もし、あなたの勤務先がまだ対応していないなら、あなたから声を上げてみてください。
「言いづらい…」と思うかもしれませんが、これはあなた自身だけでなく、同じ職場で働く全ての仲間のためでもあります。
2027年6月以降は点数が2倍になり、更なる賃上げのチャンスが広がります。
今から準備を始めて、しっかりとその恩恵を受けられるようにしましょう。
