【医療事務必読】2026年1月から報告開始!「かかりつけ医機能報告制度」で受付対応が変わる|患者からの質問にどう答える?

「かかりつけ医機能報告制度って、受付で何を説明すればいいの?」
「患者さんから『うちはかかりつけ医じゃないの?』と聞かれたらどう答えればいい?」
2025年4月に施行された「かかりつけ医機能報告制度」は、2026年1月から3月にかけて初めての報告期間を迎えます。この制度により、医療事務の受付対応や患者説明の内容が大きく変わります。
さらに、2026年度の診療報酬改定では、この制度が診療報酬にどう組み込まれるかが注目されており、機能強化加算などの既存の加算が見直される可能性も指摘されています。
本記事では、医療事務が知っておくべき「かかりつけ医機能報告制度」の基礎知識と、受付での患者対応のポイントを、2026年の最新動向を踏まえて徹底解説します。
「かかりつけ医機能報告制度」とは?医療事務が押さえるべき3つのポイント
① 制度の目的:「かかりつけ医機能」を見える化
かかりつけ医機能報告制度は、各医療機関が持つ「かかりつけ医」としての機能を患者や地域に分かりやすく”見える化”する制度です。
● 高齢化が進み、複数の慢性疾患を抱える患者が増加
● 患者が「どの医療機関をかかりつけにすればいいか」が分かりにくい
● 医療機関ごとに提供している機能がバラバラで、地域連携が進みにくい
【解決策として】
● 各医療機関が「うちはこんなかかりつけ医機能を持っています」と報告
● 都道府県がその情報を公開し、患者が選びやすくする
● 地域全体でかかりつけ医機能を確保する体制を作る
② 医療機関がやるべき3つの義務
制度の対象となる医療機関(特定機能病院と歯科を除く病院・診療所)は、次の3つを実施する義務があります。
[1] 報告(毎年1月~3月)
- G-MIS(医療機関等情報支援システム)を通じて、かかりつけ医機能を都道府県に報告
- 報告内容:24時間対応の有無、在宅医療の提供体制、健康相談の実施状況など
[2] 院内掲示
- 報告した内容を院内に掲示(待合室など患者の目に触れる場所)
- G-MISから出力できる様式例を使用可能
[3] 患者説明(努力義務)
- 患者から求めがあった場合、報告内容を書面で説明する
- 初診時や継続的な受診時に説明を求められる可能性がある
③ 2026年度診療報酬改定への影響
2026年度の診療報酬改定では、かかりつけ医機能報告制度が診療報酬にどう組み込まれるかが最大の焦点です。
● 機能強化加算の見直し:現行の機能強化加算が、かかりつけ医機能報告制度と統合される可能性
● 新しい評価体系の創設:報告内容に応じた加算が新設される可能性
● 患者説明の義務化:報告内容を患者に説明することが算定要件になる可能性
【医療事務への影響】
● 受付で患者から「かかりつけ医機能」について質問される機会が増える
● 院内掲示の管理や更新が新たな業務になる
● 患者への書面説明などが日常業務に組み込まれる可能性
受付でよくある患者からの質問5選と回答例

2026年1月以降、受付窓口で患者から「かかりつけ医機能」について質問されるケースが増えると予想されます。ここでは、よくある質問と模範回答を紹介します。
質問① 「かかりつけ医機能報告制度って何ですか?」
回答例:
「2025年4月から始まった新しい制度で、当院がどんな『かかりつけ医』としての機能を持っているかを、都道府県に報告し、患者さんにもお知らせする制度です。例えば、24時間対応ができるか、在宅医療を提供しているか、健康相談に応じているかなどを明確にすることで、患者さんが安心して医療機関を選べるようにするためのものです。」
● 制度の目的(患者の選択支援)を分かりやすく説明
● 専門用語を避け、具体例を挙げる
質問② 「うちの病院はかかりつけ医じゃないんですか?」
回答例:
「当院も『かかりつけ医機能』を持っている医療機関です。ただ、この制度では、医療機関ごとにどんな機能を提供しているかを明確にすることが求められています。当院の場合は、○○(例: 継続的な健康相談、専門医との連携)などの機能を提供しております。詳しくは院内に掲示しておりますので、ご覧ください。」
● 「かかりつけ医ではない」と誤解されないように、自院の機能を具体的に説明
● 院内掲示への誘導でさらなる質問を減らす
質問③ 「かかりつけ医機能の内容を教えてください」
回答例:
「承知いたしました。当院のかかりつけ医機能につきましては、書面でご説明することができます。少々お待ちください。」
実務の流れ:
● 書面での説明が制度上求められているため、口頭だけでなく必ず書面を渡す
● 書類は事前に複数部印刷しておく
質問④ 「かかりつけ医になってもらうには何か手続きが必要ですか?」
回答例:
「特別な手続きは必要ありません。当院を継続的に受診していただき、健康相談や必要に応じた他の医療機関への紹介などを通じて、『かかりつけ医』としての関係を築いていきたいと考えております。ご不明点や健康に関するご相談があれば、いつでもお気軽にお声がけください。」
● 「かかりつけ医」は契約ではなく、信頼関係に基づくものだと説明
● 患者が安心して相談できる雰囲気を作る
質問⑤ 「他の病院のかかりつけ医機能はどこで見られますか?」
回答例:
「各医療機関が報告した『かかりつけ医機能』は、都道府県のホームページや『医療機能情報提供制度(医療情報ネット)』で確認できます。スマートフォンやパソコンから検索できますので、ご自宅でもご覧いただけます。必要であれば、ご案内のチラシをお渡しいたします。」
ポイント:
● 患者が自分で情報を探せる手段を案内
● 可能であれば、都道府県のホームページのURLを記載したチラシを用意
院内掲示の管理:医療事務が注意すべき3つのポイント
かかりつけ医機能報告制度では、報告内容を院内に掲示することが義務付けられています。医療事務として、掲示物の管理で注意すべきポイントを整理します。
① 掲示場所は「患者の目に触れる場所」
【推奨される掲示場所】
● 待合室の壁(受付窓口から見える位置)
● 受付カウンター付近の掲示板
● 診察室への動線上
② 掲示内容は毎年更新が必要
かかりつけ医機能の報告は毎年1月~3月に実施されるため、掲示内容も毎年更新が必要です。
1. 1月~3月に医師・事務長が報告内容を確定
2. G-MISから最新の院内掲示用書類を出力
3. 古い掲示物を撤去し、新しいものに差し替え
4. 差し替え日を記録(監査対策)
③ 掲示物の劣化や汚れに注意
掲示物が色あせたり、破れたりしていると、患者に不信感を与えます。
【管理のコツ】
● ラミネート加工で保護する
● 月1回、掲示物の状態をチェック
● 劣化したらすぐに貼り直し
執筆者コメント:

「かかりつけ医機能」は医療事務の”腕の見せどころ”
今回の「かかりつけ医機能報告制度」は、医療事務の役割がより重要になるターニングポイントだと感じています。
なぜ医療事務が重要なのか?
この制度の成功は、患者への丁寧な説明と、院内体制の整備にかかっています。そして、その両方を現場で担うのが、私たち医療事務です。
医師や看護師は診療に忙しく、制度の細かい内容まで患者に説明する時間はありません。だからこそ、受付窓口での最初の説明が、患者の理解と信頼を左右するのです。
制度を「負担」ではなく「信頼構築のチャンス」に
正直、新しい制度が始まるたびに「また業務が増える…」と感じることもあります。
しかし、かかりつけ医機能報告制度は、患者との信頼関係を深めるチャンスでもあります。
● 「うちの医療機関はこんな機能を持っています」と自信を持って説明できる
● 患者が安心して通える環境を作れる
● 地域に貢献している実感を持てる
こうしたポジティブな視点を持つことで、日々の業務がもっと充実したものになると信じています。
医療事務だからこそできる「患者目線の説明」
医師の説明は専門的で、患者にとっては難しいことがあります。
でも、医療事務は患者に一番近い立場だからこそ、難しい制度を分かりやすく、親しみやすく説明できます。
● 専門用語を避け、具体例を挙げる
● 患者の不安や疑問を先回りして解消する
● 笑顔で丁寧に対応する
こうした小さな積み重ねが、患者の安心と信頼につながります。
まとめ
2026年1月から3月にかけて、初めてのかかりつけ医機能報告が行われます。医療事務として、今から準備を始めましょう。
医療事務が今すぐすべき5つのアクション
① 自院のかかりつけ医機能報告内容を確認
どんな機能を報告するのか、医師・事務長に確認
② 院内掲示の準備
G-MISから出力した掲示用書類を印刷し、ラミネート加工
③ 患者説明用の書類を複数部印刷
患者から求めがあったときにすぐ渡せるよう準備
④ よくある質問への模範回答を共有
受付スタッフ全員で対応を統一
⑤ 2026年度診療報酬改定の情報をチェック
機能強化加算など、関連する加算の見直し情報を収集
制度を理解し、患者に寄り添う対応を
かかりつけ医機能報告制度は、患者が安心して医療機関を選べる環境を作るための制度です。
医療事務として、この制度の趣旨を理解し、患者に寄り添った丁寧な説明を心がけましょう。
2026年は、医療事務の力量が試される年になります。一緒に頑張りましょう!
