【医療事務必読】外国人患者の医療費未払いが急増!2026年度から「1万円以上で再入国拒否」新ルール開始|受付で今すぐできる5つの対策

「外国人の患者さんが、医療費を払わずに帰国してしまった…」
「言葉が通じず、支払いのルール説明が難しい…」

医療事務として働いていると、こんな外国人患者対応の悩みを抱えていませんか?

2026年1月、産経新聞などが報じたところによると、保険に加入していない外国人患者が医療費を支払わないケースが増加しており、外国人患者を受け入れている病院の約3割で未収金が発生している実態が明らかになりました。

さらに、日本政府は2026年度から、医療費未払い額が「1万円以上」でも再入国拒否の対象とする方向で調整を進めています(従来は20万円以上)。この厳格化により、医療機関の窓口対応も変わる必要があります。

本記事では、外国人患者の医療費未払いを防ぐための受付対応のポイントと、2026年度からの新ルールを、医療事務の実務目線で徹底解説します。

目次

外国人患者の医療費未払いの問題について

① 未収金の規模が深刻化

外国人患者を受け入れている医療機関では、約2割~3割で未収金が発生しています。

未収金の実態

● 外来:平均1.56人の未払い患者

● 入院:在留外国人の約5倍の未収金額(訪日外国人は自由診療で全額自己負担のため)

【具体例

● 旅行中に急病で救急搬送 → 入院・手術で数百万円 → 支払えずに帰国

● 海外旅行保険に未加入 → 高額請求に驚き、分割交渉も成立せず

② 言葉の壁でトラブルが多発

外国人患者は、日本の医療制度や支払いルールを理解していないことが多く、コミュニケーション不足が未払いの原因  になっています。

よくあるトラブル

● 「保険証がないと、こんなに高いとは思わなかった」

● 「支払いは後日でいいと思っていた」


● 「クレジットカードが使えると思っていた」

③ 医療機関の経営を圧迫

未収金は、医療機関の経営に直接ダメージを与えます。

● 未収金の回収は困難(帰国後の連絡が取れない、海外での法的手続きは困難)

● スタッフの時間と労力が奪われる


● 最終的に病院が損失を負担

2026年度から厳格化!「1万円以上で再入国拒否」の新ルール

従来のルール:20万円以上が基準

これまで、訪日外国人が医療費を未払いのまま帰国した場合、20万円以上の未払いがあると再入国審査で問題となっていました。

新ルール:1万円以上で再入国拒否の対象に

2026年度から、政府は未払い額の基準を大幅に引き下げ、1万円以上でも再入国拒否の対象とする方向で調整中です。

新ルールの狙い

● 少額の未払いでも厳格に対応することで、未払いの抑止力を高める

● 医療機関の負担を軽減

● 訪日外国人に「医療費は必ず払う」意識を徹底させる

医療事務への影響

この新ルールにより、受付での事前説明がより重要になります。

受付で伝えるべきこと

● 「日本では、医療費を支払わずに帰国すると、次回の入国ができなくなります」

● 「1万円以上の未払いでも、再入国が拒否される可能性があります」

● 「必ず受診前に、支払い方法を確認してください」

受付で今すぐできる!外国人患者対応の5つの対策

外国人患者の医療費未払いを防ぐために、医療事務が受付で今すぐできる5つの対策を紹介します。

① 受診前に「海外旅行保険」の加入状況を確認

外国人患者が来院したら、まず海外旅行保険に加入しているかを確認しましょう。

確認方法

● 「Do you have travel insurance?(旅行保険に入っていますか?)」と英語で聞く

● 保険証券の提示を求める

● 保険会社の連絡先と保険番号を控える

保険未加入の場合

● 「自費診療になり、全額自己負担です」と明確に伝える

● おおよその医療費の目安を提示(外来: 1万~3万円、入院: 数十万~数百万円)

● 支払いが困難な場合は、受診を再検討してもらう(緊急性がない場合)

② 多言語の説明資料を準備

厚生労働省が「外国人患者受入れのための医療機関向けマニュアル」を公開しています。

活用できる資料

● 多言語の問診票

● 支払いルールの説明文書(英語、中国語、韓国語など)

● デポジット制度の案内

ダウンロード先:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000173230_00003.html


③ デポジット(前払い金)制度の導入

外国人患者には、受診前にデポジット(預り金)を預かることで、未払いリスクを減らせます。

デポジット制度の流れ

① 受診前に、おおよその医療費を提示

② その一部(例: 5万円)を現金またはクレジットカードで預かる

③ 診療後、実際の医療費を精算し、差額を返金または追加請求

注意点

● 緊急患者には適用しない(応招義務)

● デポジット制度を院内掲示や多言語資料で事前周知

④ 支払い方法を多様化

外国人患者は、現金を持っていないケースが多いため、クレジットカードや電子マネーの導入が有効です。

推奨する支払い方法

● クレジットカード(VISA、MasterCard、JCB、UnionPay等)

● 電子マネー(PayPay、LINE Pay、WeChat Pay、Alipay等)

● 海外送金サービス(Western Union等)

導入のメリット

  • 外国人患者が支払いやすくなる
  • 未収金のリスクが減る

⑤ 未払い発生時の対応フローを整備

万が一、外国人患者が医療費を支払わずに帰国した場合の対応フローを事前に決めておくことが重要です。

対応フローの例

STEP
即座に記録

氏名、パスポート番号、国籍、連絡先、未払い額を記録

STEP
保険会社に連絡

海外旅行保険に加入している場合、保険会社に請求

STEP
自治体の補てん制度を利用

東京都など一部自治体には「外国人未払医療費補てん事業」がある

STEP
入国管理局に報告

法務省の入国管理局に未払い情報を報告(再入国審査で活用される)

外国人患者対応で使える英語フレーズ5選

受付で外国人患者に説明する際、最低限の英語フレーズを覚えておくと便利です。

① 保険の確認

“Do you have travel insurance?”
(旅行保険に入っていますか?)

② 自費診療の説明

“You will need to pay the full amount because you don’t have Japanese health insurance.”
(日本の健康保険がないので、全額自己負担になります)

③ おおよその費用提示

“The estimated cost for this consultation is around 10,000 to 30,000 yen.”
(この診察の費用は、おおよそ1万~3万円です)

④ 支払い方法の確認

“We accept cash and credit cards. Which would you prefer?”
(現金とクレジットカードが使えます。どちらがよろしいですか?)

⑤ 未払いの警告

“If you leave Japan without paying, you may not be able to enter Japan again.”
(支払わずに帰国すると、再び日本に入国できなくなる可能性があります)

執筆者のコメント

外国人患者対応は「事前説明」が9割

医療事務として受付対応もしていますが、外国人患者の医療費未払い問題は年々深刻化していると実感しています。

私が経験した忘れられないトラブル

数年前、旅行中に急性虫垂炎で救急搬送されたアメリカ人の若者がいました。

緊急手術と3日間の入院で、医療費は約80万円。海外旅行保険には加入しておらず、クレジットカードの限度額も50万円まで。

本人は「帰国したら絶対に払う」と約束しましたが、帰国後に連絡が取れなくなり、結局未収金として処理されました。

このケースで痛感したのは、「後で払う」という約束は、ほぼ守られないということです。

トラブルを防ぐカギは「事前説明」

外国人患者対応で最も重要なのは、受診前の丁寧な説明です。

私が必ず伝えるのは、次の3点です。

① 医療費の目安
「この診察だと、だいたいこれくらいかかります」と具体的な金額を提示

② 支払い方法
「現金、クレジットカード、電子マネーが使えます」と選択肢を示す

③ 未払いのリスク
「支払わずに帰国すると、次回の入国ができなくなります」と警告

この3つを受診前に伝えるだけで、未払いのリスクは大幅に減ります。

「言葉の壁」を乗り越えるために

外国人患者対応で一番大変なのは、やはり言葉の壁です。

私は英語が得意ではありませんが、翻訳アプリ(Google翻訳など)を活用しています。

● スマホに翻訳アプリをダウンロード

● 「保険」「支払い」「クレジットカード」などのよく使う単語を事前に翻訳しておく

● イラストや図を使って視覚的に説明

完璧な英語でなくても、「伝えようとする姿勢」があれば、患者は理解してくれます。


「困っている外国人を助けたい」気持ちを大切に

外国人患者の中には、本当に困っている人もいます。

旅行中に急病になり、不安でいっぱいの中、言葉も通じない異国の医療機関を訪れる。その気持ちを想像すると、私たちも丁寧に対応したいと思います。

ただし、「助けたい」気持ちと「未収金を防ぐ」対策は両立できるのです。

事前説明をしっかり行い、デポジットや多様な支払い方法を用意することで、患者も安心し、医療機関も守られる。

2026年度からの新ルールを機に、外国人患者対応の体制を見直しましょう。

まとめ

外国人患者対応は「事前説明」と「多様な支払い方法」がカギ

外国人患者の医療費未払いは、医療機関にとって深刻な問題です。2026年度からは「1万円以上で再入国拒否」という新ルールも導入される見込みです。

医療事務が今すぐすべき5つの対策

① 受診前に海外旅行保険の加入状況を確認

② 多言語の説明資料を準備(厚労省マニュアル活用)

③ デポジット(前払い金)制度の導入

④ クレジットカードや電子マネーなど、支払い方法を多様化

⑤ 未払い発生時の対応フローを整備

外国人患者対応の心構え

  • 事前説明が9割:受診前に医療費の目安と支払いルールを伝える
  • 言葉の壁は工夫で乗り越える:翻訳アプリや多言語資料を活用
  • 「助けたい」気持ちと「未収金防止」は両立できる:患者に寄り添いつつ、制度も守る

外国人患者対応は、これからの医療事務に必須のスキルです。2026年度の新ルールを機に、院内体制を見直し、未収金ゼロを目指しましょう!

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