「院内SEはやめとけ」は本当か?現役SEが解説します。

この記事は以下の方に向けた内容です。
 ❐ 院内SEを検討している人
  病院のIT部門の内情を知りたい人

院内SE(システムエンジニア)は、病院のITシステムを支える重要な役割を担っています

しかし、インターネット上では「院内SEはやめとけ」・「医療業界は大変!」という声が散見され、その仕事の厳しさや将来性に疑問を持つ人も少なくないようです。本記事では、現役院内SEがその実態と将来性について解説します。

院内SEは病院内のITシステムの管理・運用・保守を担当する技術者です。

医療スタッフが円滑に業務を遂行できるよう、システムの安定稼働を維持する重要な役割を果たしています。

必要なスキルとしては、IT全般の知識に加え、医療分野特有の知識も求められます。

電子カルテや、医療データの扱い方など専門的な知識が必要です。また、システムトラブルが発生した際の迅速な対応能力や職員とのコミュニケーション能力も重要です。

院内SEの仕事内容を知りたい人はこの記事を読んでみてください。

目次

「院内SEはやめとけ」と言われる理由

「院内SEはやめとけ」と言われる理由で意見が多いのが以下の4つです。

理由1:給与が低い

他のIT業界に比べて給与が低いことが多く、年収があまり伸びない傾向にあると言われています。これがモチベーションの維持を困難にする要因の一つです。院内SEの平均給与は400万〜500万円です。

・給与が低いのは他のIT業界に比べて「残業が少ない」ことも要因です。残業が少ない分、プライベートな時間を大事にしたい人にはプラスではないでしょうか。

・役職がつけばもちろん年収は上がります。院内SEは少人数でありライバルがほぼいない状態のため、経験を積めば昇進も比較的容易です。

理由2:勤務時間が不規則

病院の各種システムは24時間稼働しているため、夜間や休日の緊急対応が必要です。これにより、ワークライフバランスを取りづらくなりと言われています。

夜間、休日の緊急対応については、働く病院がどのカテゴリ(急性期・回復期など)の病院かにもよりますが、頻繁に呼び出しがかかるということはまずないと思います。私も割と大きめの急性期病院に勤務していますが、業務時間外での呼び出し対応は1回しか経験していないです。

また、呼び出しが必要なレベルの問題が起きれば、保守契約をしているシステムベンダーに連絡する体制をとっている病院も多いため、必ずしも院内SEが夜間・休日に対応する必要はありません。

理由3:ストレスが多い

システム障害が患者の治療に直結するため、プレッシャーが非常に大きく、医療スタッフとのコミュニケーションの難しさが精神的な負担を増やすと言われています。

・患者の命に関わる機器に関しては、臨床工学技士などの専門職が管理をしていますし、基本的に一般的なシステムエンジニアと「システム障害」に対するプレッシャーは同じです。

・医療スタッフとのコミュニケーションについては、医療従事者の中には横柄な態度をとる人も少なくはありませんが、院内SEは専門職として病院には必要と考えている人も多く、ありがたいと思われることも多いです。

理由4:専門的なスキルが必要

病院という特殊な職場のため、職員とコミュニケーションをとる上で医療の知識が必要で日々の勉強が大変という意見があります。

システムに関する話でも病院のシステムであるため、もちろん各職種の業務内容についておおまかに把握しておく必要があり、医療用語の知識も必要になります。

ただし、入職してから学べるレベルであり専門的な医療知識が必ずしも必要という訳ではありません。病院で働く事務職として最低限知っておくべき医療知識のためそんなに難しく考える必要はありません。

理由5:キャリアの幅が狭い

医療分野に特化したスキルが多く、他の業界への転職が難しいという問題があります。専門性が高い反面、応用範囲が限られているという意見があります。

病院の規模と仕事内容にもよりますが、ネットワーク管理、データベース管理、セキュリティ対策などについて広く浅く学べる環境もあり、病院によってはシステムエンジニアとしての魅力的なキャリアを積むこともできます。

またシステムの提案から導入まで顧客側の視点で経験できることはIT業界への転職にはアピールポイントではないでしょうか。どの職種でもそうですが自己価値を高めるためには、自己研鑽がどれだけできるかです。

実際に働く院内SEの声

ネガティブな意見の一方で、多くの院内SEはその仕事の厳しさを実感していますが、やりがいを感じている人も少なくありません。

院内SEをやってよかったと感じる現場の声を紹介します。

  1. 患者に直接貢献できる
    システムを通じて間接的に患者の治療や診断のサポートができ、社会貢献を実感できる。

  2. 医療現場のIT化に貢献
    最新技術を導入し、医療現場の効率化や品質向上に寄与できる。

  3. 専門知識が身につく
    医療分野に特化した知識やスキルが習得でき、専門性が高まる。

  4. 達成感が大きい
    トラブルシューティングやシステム導入が成功したときの達成感が大きい。

  5. 医療スタッフとの連携
    医師や看護師をメインとした医療スタッフと協力し、チームとして働くことができる。

  6. 需要が高い
    医療機関のIT化が進む中で、需要が安定しており、医療機関で働く職種として職業の安定性が高い。

  7. 新しい技術に触れられる
    医療動向や医療システムの最新技術に触れる機会が多く、技術の最前線で働ける。

  8. 幅広いスキルが習得できる
    ネットワーク管理、データベース管理、セキュリティ対策など、多岐にわたるITスキルが身につく。

  9. 医療知識が増える
    医療現場での業務を通じて、医療に関する知識が自然と身につく。

  10. 社会的認知度が高い
    医療に関連する職種として社会的な認知度や信頼性が高い。

  11. 問題解決能力が向上する
    日常的に発生するトラブルに対処することで、問題解決能力が鍛えられる。

  12. 多様なキャリアパス
    院内SEから医療系ITコンサルタント、プロジェクトマネージャーなど、キャリアの幅が広がる。

  13. 感謝の言葉が励みになる
    医療スタッフから感謝されることが多く、仕事のモチベーションにつながる。

  14. 公的機関での勤務
    公立病院や大学病院での勤務など安定した職場環境で働ける。

  15. 自己成長の機会
    継続的な学びと自己成長が求められ、常に新しい知識を吸収できる。

院内SEの将来性

医療現場のデジタル化は今までかなり遅れていましたがここ数年でようやく進み始めました。院内SEの需要は今後高まることは確実です。

技術進歩と医療現場のIT化

AIやIoTの導入が進むことで、医療現場の効率化が進みます。これにより、医療スタッフのITリテラシーの向上について教育やサポートなど院内SEの役割も拡大し、より高度なスキルが求められるようになります。したがってより優秀な人材確保のために年収アップも期待が持てます。

需要の増加とキャリアパスの多様化

医療機関のIT化が進むことで、院内SEの需要は増加します。これにより、医療スタッフのITリテラシーの向上について教育やサポートなど院内SEの役割も拡大し、より高度なスキルが求められるようになります。したがってより優秀な人材確保のために年収アップも期待が持てます。

また、システムが増えるにつれて運用・管理をする立場の院内SEの数自体が増えていくと思います。院内SEの経験を積んで、医療I Tコンサルタントやプロジェクトマネージャーへとキャリアップするケースなど業務内容の変化に伴い、キャリアパスも変化してきています。

新しい技術の導入

AIを活用した診断支援システムや、患者データのビッグデータ解析など、今後新しい技術が次々と導入されていくことは確実です。国もようやく医療のIT化を積極的に行うようになりました。したがって院内SEの役割もどんどん進化していきます。

院内SEとして成功するためのポイント

院内SEとして成功するためには、以下がポイントとなります。

自己研鑽とスキルアップ

常に最新の技術情報をキャッチアップし、スキルアップを図ることが重要です。オンライン学習や資格取得を積極的に活用しましょう。資格でおすすめは「医療情報技師」と情報処理技術者試験の「基本情報技術者」です。

ネットワーキングとコミュニティ参加の重要性

同じ院内SEとの情報交換や専門コミュニティ・セミナー等へ積極的に参加して、知識・人脈を広げましょう。
医療情報技師などは定期的にセミナーなどが開催されて勉強できる機会が豊富です。

院内SEを目指す人へのアドバイス

院内SEを目指す人へのポイントをお伝えします。

  1. 就職活動のポイント
    医療機関のIT部門に応募する際には、医療業界特有の知識や経験を強調することも重要です。大学生の場合、インターンシップやボランティア経験を積むことも有効です。

  2. 面接や履歴書の書き方
    自己PRでは、技術スキルだけでなく、医療スタッフとのコミュニケーションが重要です。コミュニケーション能力や問題解決能力をアピールしましょう。具体的なエピソードを交えて話すと良いです。

  3. キャリアプランを立てる
    長期的なキャリアプランを考え、どのようなスキルを磨くべきかを明確にしましょう。目標設定を行い、それに向けたステップを具体的に計画しましょう。

院内SEへの転職が気になる人はこの記事を読んでみてください。

まとめ

院内SEという職業は、確かに厳しい面も多いですが、その分やりがいや達成感も大きい仕事です。

技術の進歩や医療現場のデジタル化に伴い、皆さんが思っている以上に今後の未来は意外と明るいと言えます。自己研鑽を続け、スキルアップを図ることで、院内SEとしてのキャリアを充実させることができると思います。今後もますます重要性が増す院内SEに挑戦してみてはいかがでしょうか。

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